昨日退院してきたロイは、
夜になってハァハァと少し息苦しそうな様子の時もありましたが、
いびきの音量はだいぶ軽減されたように思います。
まだ患部が腫れていて抗生剤とステロイドを服用しているので、
これが落ち着けばもっと楽になるみたいです。
2017年5月3日
手術が終わったとの連絡を受け、説明を受けるために病院へ向かいました。
まず、内視鏡検査の結果について。
?披裂軟骨周辺にあった腫瘍の可能性→腫瘍ではなく慢性の炎症。喉頭周囲浮腫。
?喉頭虚脱の状態→グレード2であり、喉頭は塞がり切ってはいないが、
狭くなった喉頭を広げようと周辺器官に負荷がかかっている状態。
?扁桃の腫れ→扁平上皮癌の可能性も否定できないため、
より腫れの大きい左側のみ切除、圧迫止血した。後日外部機関にて病理検査を行う。
軟口蓋の切除について。
ブルドックなどに見られる症例ほど長くはないが、肥厚し充血していた。
そのため、出血も通常より多め。
今後のことも考え、できる限り短く切除した。
縫合は溶けて吸収されるモノクリルを使用。
術後は麻酔が覚める前に気管チューブを抜き、
その際咽頭が開いていることをよく確認し、
閉塞が見られた場合は再度気管チューブを挿管するか、気管切開するとのことでした。
この段階が私としては最も不安なポイントで、
麻酔で喉の筋肉が弛緩しているために、
気管チューブを抜くと咽頭閉塞になる場合があるためです。
前述の呼吸器専門病院では、
これを防ぐために術前から気管切開をして気道を確保する方針でした。
幸いロイは咽頭閉塞になることはなく、
麻酔からの覚醒は、ステロイドを使用し体を冷やしながらゆっくり行われたとのこと。
麻酔から覚めた時は、何が起きたか分からずパニックになったのか、
かなり吠えたそうです。
沈静をかけようかと思うほどだったようですが、
術前とは違い、ガーガーという呼吸音はでなかったとのこと。
その後は酸素濃度を上げて気温を下げたICUで、落ち着いているとのことでした。
喉頭周囲浮腫については、アレルギー体質であることから考えても、
おそらくリンパ球性炎症ではないかと。
軟口蓋や扁平の肥厚もその影響と思われ、
病理検査でもそういう結果がでるでしょうということでした。
軟口蓋は切除したものの、浮腫があるとやはり喉頭は狭くなるため、
日常的にステロイドを使用し炎症を抑える治療が必要になるそうです。
ただ、術前の心臓エコー検査で、心臓も服薬が必要な状態であることが分かっています。
ステロイドは血圧を上げるので、心臓疾患のある子への投与には注意が必要であり、
その兼ね合いが難しいですが…と。
説明を受けた後は、入院中のごはんや自分の匂いのついたタオルケットなどを預け、
ロイには会わずに帰ってきました。
私たちに会うと、興奮して患部の腫れが悪化してしまうだろうから。
会ってもまた置いて行かれるなら、ロイ的には余計辛いでしょうし。
術後6時間が最初の腫れのピークになるそうで、
その晩は心配でたまりませんでした。
患部が腫れて喉を塞いだら、窒息してしまう。
夜間は病院も無人になるので、誰もいない間にそんなことになったらどうしよう…。
先生からは、帰るまでよく様子を見るし、
ICUの前に遠隔でも見られるビデオカメラを設置してあるし、
状況が悪い場合は看護師を泊まり込みにすることも可能なので、
ご安心下さいと言われていました。
この病院で手術すると決めたからには信頼するしかないと分かってはいましたが、
そうは言っても気が気ではありませんでした。
出来るなら、自分が泊まり込みたい気持ちでした。
翌日電話すると、安定していますとのこと。
入院中の心配は他にも、ごはんのことや排泄のことがありましたが、
ステロイドを使用しているせいか、
いつもなら絶対にしないケージの中で、ちゃんとおしっこをしていたそうです。
今日いっぱいICUで様子をみて、
明日の朝から酸素濃度や気温を外気に近づけて、問題なければ夕方退院できますとのこと。
面会は…やはり退院まで我慢しました。
ロイがいないと、何をしたらいいのか分からなくなりました。
ロイがいるから出来ないって思ってることって、結構いっぱいあったはずなのに。
2017年5月5日
午前中に病院から連絡があり、
状態は安定していて、ごはんも全部ではないものの食べたし、
問題ないようなので、3時半ころに迎えに来て下さい、とのこと。
小躍りしたい気持ちと、ロイがどれだけ憔悴しているかの不安が入り交じった状態で、
病院に向かいました。
まずは内視鏡の画像を見ながらの詳しい説明。
軟口蓋の過長・肥厚も含め、アレルギー性の鼻咽頭炎と思われるとのこと。
鼻腔、気管については炎症なくきれい。
扁桃の病理検査の結果は、来週末までには出ると思います、と。
4日間は抗生剤とステロイドを服用する。
今回のステロイドは術後の粘膜の腫れを引かせるためのもので、
飲みきったら終了でOKとのこと。
説明が終わって、扉の奥から出てきたロイは、
しっぽをぶんぶん振って、手術前と変わらず元気でした。
私たちの顔をペロペロとなめ続け、しがみつき、
あぁこの子は、私たちをずっと待っていたんだなって思いました。
術後すぐの様子を見ることはできませんでしたが、
きっと直後は痛かったり苦しかったりもして、怖かったでしょう。
初めて3日間も離れ離れで、捨てられたのかと思うんじゃないか、
ロイの心に傷を残すんじゃないかという心配は、でも全くの杞憂で、
ロイは、ただひたすら私たちを待っていただけだったんだと思います。
家に帰ってきて、私の作ったプリンを食べ、
いつものクッションの上ですやすや眠り始めました。
いつも熟睡すると鳴り響くいびきは、だいぶ穏やかになったように感じます。
大きく吸い込むような呼吸だったのが自然にすぅすぅと寝ているし、
かはっと飛び起きることもありません。
一晩明けて今日の朝は、おしっこウンチのために軽いお散歩をし、
帰ってきてからいつも通りのごはんをあげましたが、
あっという間に食べてくれました。
先生によると、入院中も食べるときに痛がる様子はなかったし、
他の子もあまり痛がらない気がするので、
犬にとっては痛みの強い部位ではないんでしょうと。
ロイにはひどい食べ渋りの過去があり、
退院した後、ごはんを食べなくなったロイとの闘いが待っていると思っていたので、
これは本当に安心しました。
喉頭虚脱はある程度進行していること、
心臓も服薬が必要な状態であること、
日常的にステロイドを服用しなければならないこと、
これから考えなければならないことは山積みだし、
手術をしたからと言って、
劇的に元気になったり無理が出来るようになったりする訳ではないけれど、
少しでも進行を抑え、少しでもロイの苦しさを除いてあげるという意味で、
手術の決断をして良かったと、今は思っています。
もちろん、まだしばらくは油断はできませんが。
長々とお読みいただきありがとうございました。
自分のための記録ですが、
キャバリアにも軟口蓋過長症の子は多いと聞く割に、
ネットで検索するとパグちゃんやフレブルちゃんばかりで、
キャバリアの記事はほとんど見つからないので、
同じ症状で苦しんでいる子のご家族の参考になれば、とも思っています。
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ロイ、無事に退院いたしました〜!
しっぽをぶんぶん振って、大喜びで出てきてくれました。
初めての入院、それも丸3日も病院でひとりぼっちだったので、
どんなに消耗しているだろうと本当に心配でしたが、
病院から出るなり我慢していたおしっこをし、うんちをし、
後は私たちの顔を舐めまくってました。
…拍子抜けするほど元気です(笑)
とは言え、入院中は本当に怖くて心細かったと思うので、
いっぱい甘えてゆっくり眠ってほしいです。
(画像はブログさぼり中の昨年のものです)
呼吸器専門病院で検査を受けて、
もろもろのやり取りの結果、手術をいったん見送った2016年秋。
すでにある程度の喉頭虚脱の状態にあって、手術をしてもそれが治ることがないなら、
辛い手術という選択はせずに、
なるべく体と喉を冷やして無理や興奮をさせないよう、
ゆっくりと暮らしていく方がいいんじゃないかと考えていました。
喉頭虚脱があっても、みんながみんな呼吸困難や窒息の状態になる訳ではないでしょうし、
仮に手術をしても、生活スタイルが今と変わらないなら、
手術にはあまり意味がないんじゃないか、と。
2017年、春が近づき、気温が急上昇する日もあって、
ロイの様子は一年前の同じ時期より、苦しそうに見えました。
冬場も暖房はホットカーペットのみで3月にはもう保冷材を使い、
興奮させないようお散歩はなるべく近所でゆっくり歩くようにしていたので、
2016年にあった発作のようなものは起きていませんが、
ちょっと歩くだけでハァハァするし、
寝てる最中に「かはっ!」と息を吐いて飛び起きたり、
喉に何か詰まったようにブー、ブーと鼻をならすことが多くなったり。
これでこの夏を乗り切れるのか、
訴えることが出来ないだけで、毎日とても苦しい思いをしているんじゃないか、
であれば、少しでも楽に呼吸出来るよう、
手術も含めもう一度考えるべきじゃないかと思うようになりました。
一年前に検査を受けた病院は軟口蓋切除手術のエキスパートなので、
選択肢のひとつとして残してはありましたが、
他にベストな病院はないかともう一度探してみたところ、
我が家から自転車でも行ける距離のところに、
呼吸器科に力を入れている病院を見つけました。
2017年4月7日受診。
まだ新しい病院で若い先生でしたが、
セカンドオピニオンをお願いしたいと伝えたところ、
まずはレントゲンを撮らせて下さいと、受け入れて下さいました。
レントゲン検査の結果、
?喉頭虚脱の可能性 ?披裂軟骨周辺に腫瘍の可能性 ?気管支に虚脱あり
?胸椎に骨棘形成がみられる ?気管虚脱はみられない
との所見でした。
?に関しては了解していましたが、?、?、?については初めての指摘でしたので、
丁寧に診て下さっている印象を受けました。
?は慢性の炎症かポリープ等腫瘍の可能性があるため、
軟口蓋の手術をするなら内視鏡でよく確認し、ポリープなら同時に切除するとのこと。
(?については加齢性ではあるが、この年齢で胸椎に骨変性が起こることは少ないため、
骨変性の起こりやすい体質ではないか、
またそれは気管・喉頭の変性とも関連があるとのこと)
やはり手術を勧められたので、
術式や日程、費用について確認したうえで一旦持ち帰ることにしました。
もう一度病院探しをした時から、手術をする方向で考えてはいたので、
あとはどこの病院でするかを決めるだけでした。
今回の病院では、最初から気管切開することはせず状況次第で対応するということ、
先生が最初循環器科の勉強をしていたそうで、
軟口蓋だけではなく心臓についても包括的に診てくれそうなこと、
手術の日程が休日でも大丈夫なこと、
家から近く、術後何かあった場合も対処しやすいこと、
以上のことから、セカンドオピニオンの病院で手術をお願いすることに決めました。
2017年4月16日 術前検査。
?心臓エコー検査 ?血液検査
?の結果、麻酔をかけることに問題はないものの、
以前からの左心房への逆流(僧房弁閉鎖不全)の他に、右心房への逆流(三尖弁閉鎖不全)、
肺動脈弁の逆流も、わずかながらみられるとのことでした。
三尖弁の逆流については、肺に負荷がかかっているために起きていると思われ、
心臓の治療も併せて始めた方がいいとのこと。
?血液検査については、後日問題なしとの連絡を受けました。
2017年5月3日 手術。
軟口蓋切除の方法は、病院によってレーザーや電気メスを使用する場合と、
ハサミを使用する場合とがあります。
ハサミで切除すると出血もあり、縫合が必要になるため腫れることもあるが、
レーザー等より患部組織の再生が早いという理由から、
ハサミでの切除を行うとの説明を受けました。
入院期間については、
患部の腫れが48時間程度でひいてくるため、2泊3日程度になるとのこと。
まず麻酔をかけ、内視鏡で?披裂軟骨に見られる炎症もしくは腫瘍
?喉頭虚脱の状態を確認し、その後軟口蓋切除が行われ、
特に問題がなければ1時間程度で終了するということでした。
11時に病院に預けて、手術開始は13時ころ。
検査をする時は、いつも心細そうな目で私を見ながら連れていかれるのですが、
今回は何か違うと察したのか、
姿が見えなくなってもずっと吠える声が聞こえました…。
一旦帰宅し、病院に持っていくロイのごはんを用意していたところに、病院からの電話。
何か問題でもあったかと、胸がきゅーっとなりました。
内容は、扁桃という部位が大きく腫れているので、
切除して病理検査に出しましょうというものでした。
扁平上皮癌という病気がキャバリアに多いので、念のため、と。
手術が終わったと連絡があったのは3時半過ぎ。
説明を受けるため、再度病院へ行きました。
術後の説明については、また続きます。
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昨日からロイが家にいません。
軟口蓋過長症の手術のため、入院しています。
ロイがいない部屋はすーすーして、
何をしたらいいのか分からなくなります。
ブログはすっかりご無沙汰でしたが、
自分用にこれまでの経過と術後の様子を記録しておきたいと思います。
同じ病気で悩んでいるご家族の参考になるかもしれませんしね。
ですので、興味のない方はスルーしてくださいね。
(画像は昨年のものです)
ロイはもともと大音量でいびきをかく子で、
でもキャバリアは鼻ぺちゃ気味だし、みんなそうなんだと思っていました。
まだ1歳のころ、夏前だったかお友達のキャバちゃんとドックランに行き、
同じ環境にいたのにロイだけ熱中症になったこともありました。
これも、ロイパパが暑がりのため部屋が常に南極のようで、
普段過ごしている気温がほかの子と違うせいだと思ってました。
4歳のころ、
キャバリアの宿命である僧房弁閉鎖不全の初期と診断され、
服薬はせず経過観察で、これまで大きな変化なく過ごしてきました。
同じころから、
大好きなボール遊びをすぐにやめてしまうようになり、
これも心臓が良くないせいで疲れやすいんだと思っていました。
でもこれらは、軟口蓋過長症からくる症状だったようです。
真冬以外に少し長めの散歩をするとパンティングが続くようになり、
お外遊びが大好きでカフェ嫌いだった子が、
いつしかカートとカフェが好きな子になっていました。
2016年5月、7歳。
同胎の兄弟や仲良しのキャバちゃんたちとの恒例の合同お誕生会では、
お天気が良く気温も高かったこともあって、
カフェに移動した後も数時間ガーガーという荒い呼吸が止まりませんでした。
かかりつけの病院で軟口蓋過長症ではないかと言われたため、
う、
呼吸器専門病院を受診することになりました。
2016年6月12日、呼吸器専門病院受診。
?問診?血液検査?CRP測定(血液で気道・肺疾患の炎症程度を測定)
?動脈血ガス分析(肺でどれだけ酸素を取り入れ炭酸ガスを排泄できているかの検査)
?頭部・胸部X線撮影?ビデオ透視撮影
以上の検査を行いました。
結果、軟口蓋肥厚・過長、舌根の厚み、咽頭粘膜余剰が見られ、
軽度ではあるものの低酸素血症・換気障害などの肺機能障害がではじめているとのこと。
肺のあたりに影が見られ、肺水腫の可能性あり、
ビデオ撮影では呼吸をするたびに気道が狭くなる様子が分かりました。
その時の診断書には、「軟口蓋過長症。構造的な咽頭閉塞が生じ、
肺機能にも影響が生じていますが、
喉頭虚脱には至っていないと思われます」と書かれてありました。
軟口蓋過長症は主に生まれつきだが、努力呼吸を繰り返すことにより余計に長くなり、
歳をとってから症状が顕著になる場合があるとのこと。
今はハァハァ→ガーガーという呼吸音だが、
最初からガーガーという喘鳴(ストライダー)が出るようになったら喉頭虚脱の可能性がある。
※喉頭虚脱・・・軟口蓋過剰や巨舌などの構造的な上気道閉塞によって吸気時咽頭内陰圧が亢進し、
次第にそれに抵抗する支持力を失い、喉頭軟骨が軟化し声門が閉鎖してしまうこと。
治療としては軟口蓋切除となり、
年齢や検査結果から麻酔リスクが高いため、
一時的気管切開下での手術となり、入院期間は4〜5日ということでした。
喉頭虚脱になってしまうと、軟口蓋切除でも症状が改善しないことが多く、
永久気管切開をするしかなくなってしまうこと、
年齢が増すごとに、麻酔のリスクや心臓の状態悪化の可能性も増すことから、
出来るだけ早いうちの手術を勧められましたが、
ロイの状態が、暑さや興奮に気を付けて過ごせば、
今すぐ命にかかわるというものではなかったので、
本当に手術をした方がいいのか、迷い悩みました。
病院で心臓エコー検査の時でさえ先生に無理を言ってお預けにならないようにしたり、
最長でも3時間程度のお預けしか経験したことのない子が、
4日間の入院なんて耐えられるのか、とか、
普段から食べ渋りのあるロイが、術後にちゃんとごはんを食べられるようになるのか、とか、
気管切開したせいでもし感染症になったら、とか、
心配事は尽きませんでしたが、結局のところ、
私たちの側がそういったことに耐えられる自信がなかったからかもしれません。
ほかの病院に電話で問い合わせをしたり、セカンドオピニオンを受けたりしましたが、
やはり検査を受けた病院で、
喉頭虚脱になる前に手術を受けるのがベストだと結論を出し、
病院あてに、手術にあたっての疑問点や手術費用についてのメールを送りました。
(こちらの病院は電話での問い合わせがNGでした)
なかなか返事が来ず、再度連絡してやっと回答をもらえたのは一月後…。
「手術をすることで、将来的に喉頭虚脱に進行する可能性は大きく下がりますか?」
という問いに、
「ロイちゃんは完全な喉頭虚脱(ステージ3)には至っていないと思われますが、
ステージ2にはなっており、手術で進行のスピードを抑えることができます」
という回答でした。
私たちは、最終的に窒息に至る喉頭虚脱を避けるために手術を受けるつもりでいたので、
すでにステージ2という話がとてもショックで、
また、その先生を信頼することが出来ない気持ちになってしまいました。
そんなこんなのやりとりをしているうちに、辛い夏が終わり、
ロイの呼吸も少し楽になってきたようだったので、
この時は手術を見送ることになりました…。
長々とお読みいただきありがとうございます。
手術については次回に続きます。
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